医療法人社団六心会恒生病院

ペースメーカー

ペースメーカー

ペースメーカーとは

心臓は、電気信号が流れる刺激伝導系によって規則的に動かされています。

洞結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ繊維の順となります。

一日の心拍数は、成人で約10万回(1分間に60~90回)にもなります。

正常な心臓では洞結節がペースメーカーの役割を果たしていますが、何らかの原因で心臓が正しく刻めない場合に行われるのが人工ペースメーカー治療となります。

人工ペースメーカーは、電気刺激発生装置と電気刺激を伝える導線からなり、心拍が一定以上の間隔をあいたときにそれを感知して電気刺激を人工的に送る治療です。

ペースメーカーの適応

色々とある心臓病の中で、心拍数が早くなったり遅くなったりして『脈が乱れる』ものを不整脈と言います。

脈が遅くなるものを<徐脈>といいます。

徐脈が起きるのは、心臓の洞結節、または刺激伝導系がきちんと働かなくなったことが原因となります。

代表的な不整脈

下記の項目を満たしている方を治療の対象としております。

■洞不全症候群

洞不全症候群とは、心臓のリズムが遅くなる病気で、洞結節が機能不全になったり、機能停止したり、洞結節からの信号が途絶したりします。

通常、洞結節が機能不全になると、次の房室結節が心拍リズムをサポートしますが、サポート機能が少ないと心臓から全身に送り出される毎分の血液量が低下し、眩暈や立

ち眩み、失神が起きることがあります。

■房室ブロック

房室ブロックとは、房室結節及びヒス束で電気刺激が通りづらくなったり、流れが止まったりする病気です。

この病気になると、心拍数が著しく低下し、眩暈や失神に陥ることがあります。

ペースメーカーの仕組みと種類

ペースメーカーは、本体とリード(導線)の組み合わせで成り立っています。

リード(導線)は心房か心室、またはその両方に挿入され、心臓から出た信号をペースメーカー本体に、本体からの電気刺激を心臓へと伝えます。

本体は、心拍が一定以上の間隔をあいたときにそれを感知して電気刺激を人工的に送るなど、心臓の状態に応じてどのような治療をすべきかを判断し、心臓を刺激します。

つまり、本体には心臓の興奮を感知する機能と刺激する機能が備わっています。

AAIペースメーカー

心房に1本のリード(導線)が入ります。

洞不全症候群でかつ、刺激伝導系に以上のない方が適応となります。

VVIペースメーカー

心室に1本のリード(導線)が入ります。

徐脈がまれにしか発生しない場合や、心房細動に合併した徐脈(房室ブロック)に適応されます。

VDDペースメーカー

心室に1本のリード(導線)が入ります。

VVIと違い、心房の活動を感知することができます。

洞結節の機能が正常な房室ブロックの方が適応となります。

DDDペースメーカー

心房と心室にそれぞれリード(導線)が入ります。

ほとんど全ての徐脈に対応出来ますが、リード(導線)を2本入れる必要があります。

ペースメーカーの仕組みと種類

ペースメーカーの特徴

心拍応答機能

心疾患にかかっていない人は、運動をしたときなどに心臓はバクバクとし、心拍数は増えます。しかし洞不全症候群では、運動したときなどでも十分に反応できず、心拍数が増えません。

以前のペースメーカーは、常に同じリズムで刺激するだけでしたので、24時間一定の心拍数でした。最近のペースメーカーは、身体の動きや呼吸の変化などを察知して

必要に応じて心拍数を変動させるようになりました。

つまり洞結節の働きを補う機能となります。

その他の機能

最近のペースメーカーは他にも様々な機能を持っています。

例えば、「刺激の出力を自動で調整して寿命を長持ちさせる」「不整脈の発生に応じて設定を一時的に変更する」「作動状況や頻拍発生時の記録を詳細に保存する」などです。

このような多彩な機能を持ったペースメーカーにより、患者さんは一層快適な生活が送れるようになりました。

植え込み術の実際

ペースメーカーのリード(導線)は、一般的に左鎖骨近くにある鎖骨下静脈を通して、レントゲンで透視しながら心臓の右心房、または右心室へ挿入します。

本体は鎖骨の下方に作られた「皮下ポケット」に埋め込みます。

切開による傷は一つで、長さは4‐6cmです。

静脈を経てペースメーカーを植え込む経静脈的植え込み術の場合、局所麻酔をして行います。歯医者さんで受ける麻酔と同じで、手術中意識ははっきりとしています。

麻酔が効いていれば、耐え難いような痛みは感じません。

手術時間は1‐3時間、術後の安静は2時間程度です。

安静の解除後にはベッドから離れて歩くことも出来ますが、肩よりも上まで植え込み側の腕を上げるバンザイのような姿勢は、手術後約2ヶ月間は控えるようにしましょう。

術後の合併症は出血、感染、気胸(胸が縮む)、心タンポナーデ(心臓周囲への出血)、リードの移動などがありますが、重篤なものはまれです。

当院では、手術の方法や合併症、手術に伴う安静度など、術前に説明を十分に行っております。

ご質問等は、その都度お問い合わせください。

植え込み術後の生活

基本的に普段と変わらない生活を送ることが出来ます。

ただし、電磁波への暴露を避ける必要があり、多少の注意は必要です。また、鉄棒など腕に強い力が加わるようなスポーツは出来ません。

退院後は、ペースメーカーの作動状況を調べる為に3‐6ヶ月毎に、ペースメーカー外来を受診する必要があります。検査は専用の検査装置を使って行われ、5‐10分で終わります。

検査中は、軽い動悸が起きることがありますが、苦痛はありません。

電池の寿命は機種によって、あるいは患者さんの状態によって違いがあり、6‐8年程度です。

電池の残量は検査装置に表示されます。電池が減ると本体の入れ替えが必要になりますが、多くの場合植え換え術となり、リード(導線)はそのまま使用して本体のみの交換となるため、最初の手術よりも(簡単に行われます)。

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