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- TMS・ボツリヌス療法外来(NEURO)
脳卒中の後遺症は、発症後およそ半年を超えてしまうと、リハビリテーションを行っても大きな麻痺の回復はもうそれ以上は望めないと考えられています。そのため歩くことはできても、麻痺側の手は使えないという患者さまが大勢いらっしゃいます。しかし近年、脳卒中発症後数年が経過していても手の麻痺の改善が見込める治療法NEURO-15(ニューロ)が、世界的に注目されています。恒生病院では、平成25年5月よりこのNEURO-15を2週間の入院で行う「NEURO-15」を実施しています。
NEURO-15は、東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科の安保雅博教授のグループにより考案された治療法です。磁気を発生させる8の字コイルのついた機械を使用し、頭の外側から大脳を連続的に刺激することにより、下の図のように、障害された脳を活性化するTMS治療(経頭蓋磁気刺激)と集中的なリハビリテーションを併用することで機能回復を図ります。
NEURO-15は、すべての後遺症に対し効果がみられるわけではありません。当院のNEUROによって効果が期待できるのは、脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)が原因の上肢麻痺(片麻痺)のみです。
下記の項目を満たしている方を治療の対象としております。
- 1.脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)を原因として上肢麻痺(※)を呈している。
- 2.年齢が16歳以上である。
- 3.認知機能に問題がない(認知症ではない、目安としては日常生活に支障がない)。
- 4.うつ病ではない。
- 5.透析をしていない。
- 6.頭蓋内に金属(クリップなど)が入っていない。
- 7.心臓ペースメーカーが入っていない。
- 8.少なくとも一年間は痙攣の既往がない(脳波検査で異常がない)。
- 9.全身状態が良好である(発熱、栄養障害、重度心疾患、体力低下などがない)。
- 10.日常生活が自立している(自ら移動できるなど生活上では介助がいらない)。
※手首を曲げないで指のグーパーができること。少なくとも親指・人指し指・中指の3指が曲げたり伸ばしたりできる(全く力が入らない、手を握ったら離せない場合は適応外となります)。
15日間の入院となります。
入院当日 | 2日目~8日目 | 9日目 | 10日目~13日目 | 14日目 | 退院日 | |
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午前 | 初期上肢機能評価 | TMS 約20分 |
休日 ※必要に応じて理学療法実施 |
TMS 約20分 |
TMS 約20分 |
診察 |
個別リハビリ 約1時間 |
個別リハビリ 約1時間 |
個別リハビリ 約1時間 |
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自主トレーニング 約1時間 |
自主トレーニング 約1時間 |
自主トレーニング 約1時間 | ||||
午後 | 診察 | TMS 約20分 |
TMS 約20分 |
最終時上肢機能評価 fMRI | ||
個別リハビリ 約1時間 |
個別リハビリ 約1時間 |
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自主トレーニング 約1時間 |
自主トレーニング 約1時間 |
■スケジュールには変更があることをご了承ください。
※14日目のPMは上肢機能評価・fMRIのみ実施となります。
個別リハビリ、自主トレーニングの内容に関しましては、その方の回復段階や目標に応じて、担当療法士が随時、対応させて頂きます。
ボツリヌス菌が作り出す、ボツリヌストキシンを有効成分とする薬を注射する治療法です(感染の危険性はありません)。脳卒中の後遺症として、筋肉がこわばったりする痙縮という症状があります。痙縮が強かったり、持続したりすると日常生活などに支障をきたすことがありますが、ボツリヌス療法はこの痙縮を和らげる効果があります。脳卒中後、過剰に緊張している筋に対して注射することで、それを引き起こしている神経の働きを抑制して、痙縮(筋のつっぱり)を改善させます。
- ・日常生活動作が行いやすくなります。
- ・リハビリテーションが行いやすくなります。
- ・関節の変形を予防します。
- ・介護負担の軽減が図れます。
当院にて、診察を受けていただく必要がございます。診察は予約制になっておりますので、診察を希望される方は下記までお電話ください。また、診察結果により治療が適応外となる場合があることをご了承ください。当日は健康保険証とかかりつけ医師の紹介状が必要となります。
※1.電話予約の際に適応基準項目について、当院受付スタッフより説明させていただきます。
※2.紹介状はNEURO-15希望時、他院かかりつけの場合のみ
加入されている保険により異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
はい。当院では、上肢麻痺のみを対象に実施しています。現在、下肢・言語を対象には実施していません。