現代の医療における診断・治療は画像なくして成り立たない時代です。その画像の中心であるのがエックス線検査や超音波・CT・MRIなどです。これらの画像は機器の技術進歩と共に急速なスピードで発展しています。その中で我々、診療放射線技師の役割も多くなり、また知識の向上も求められております。
放射線画像診断室では、目覚ましい画像診断機器の進歩や各診療科の多種多様なニーズに対応できるよう技術の上達や知識の向上より「正確な治療は、正確な検査から」をモットーに日々努力し業務に取り組んでいきたいと思います。
恒生病院放射線画像診断室は、当院における診療部門の重要な柱の一つです。高い専門性を常に維持しながら効率よく円滑に診療が機能する放射線画像システムを目指しています。
平成18年に電子画像保管配信システム(PACS)を導入し、完全デジタル化となり、診療の効率化と迅速化を実現し、さらに保存性を高めることが出来ました。また画像診断は専門医による遠隔読影システムを導入することにより院内の検査はもちろん、他施設様からご依頼頂いた画像検査においても検査翌日(当日も可能)には読影結果を報告できる体制が整いました。このシステムがもたらす迅速な診断により、適切な治療に結び付くと考えております。
CT
マルチスライスCTスキャナを導入しております。この装置は、最短0.35秒で一回転し、一回転で細かく160断面(スライス)が同時に撮影できる最高水準のマルチスライス技術を搭載しており、撮影時間の大幅な短縮が可能です。胸部や腹部臓器(肝・胆・膵・脾・腎・膀胱・その他)の疾患の検査においても息止め時間が短縮されています。
頭頚部の血管・心臓の血管(冠動脈)・胸腹部の血管・下肢の血管なども、極めて鮮明な画像により診断が可能になっています。
最薄0.5mmスライスの高精度な画像は、検査だけではなく3Dを活用した診断、治療計画・経過観察まで幅広くお役立て頂けます。
また、被ばくの低減など患者様に優しく安全面にも配慮をしたCT装置となっています。
3次元画像解析システム
CT・MRIなどの画像データの3D表示、2D表示上で断面を作成し新たな画像として作り直すことや任意の断面の表示もできます。頭頚部・心臓・下肢などの血管や各臓器を3D画像として表示や計測ができます。
さまざまな装置の画像を取り込み表示・計測・解析など多様な画像の処理が行える装置であり現在の画像処理における重要な装置です。
現代医療において放射線検査なくして診断はないと言っても過言ではありません。医療機関から患者様への医療情報の開示や十分な説明が求められる中、放射線の分野において、特に医療被ばくに関しては、直接の行為者である私たち診療放射線技師が責任を負うことが当然と考えています。
医療技術の発達と同様に放射線機器の進歩により、年々と検査量が増加し、それに伴い放射線の被ばく量も増加する傾向にあります。そこで当放射線画像診断室では、安心できる検査のために診療放射線技師へ求められる責務として、放射線被ばくを少しでも低減するために点検などの機器管理や線量測定を実施するなど、放射線管理を徹底し医療被ばくのさらなる低減を目指して行きます。
当院では、超急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA)および血栓除去術など様々な手術の他、近年は脳血管内治療(脳動脈瘤コイル塞栓術、頚動脈ステント留置術等)も積極的に行っております。特にt-PAなど時間との戦いの中で、いかに迅速で正確な画像情報を提供できるかがカギとなります。1分1秒でも早い検査が可能なように、診療放射線技師の教育と共に訓練を日々行っております。
放射線画像診断室 室長 | 日浦 智哉 |
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この度令和5年9月1日付けで放射線画像診断室室長に就任しました日浦智哉と申します。
放射線画像診断室では、より質の高い医療を提供するためスタッフ全員が常に最新の知識と技術を身につけるよう努力し、患者様にとって信頼ある医療施設であることを目指してまいります。
検査に対する疑問や不安などありましたら、どうぞお気軽にご相談下さい。