医療法人社団六心会恒生病院

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虚血性心疾患

 心臓は、決して休むことなく収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。このポンプの働きを担っているのが心臓の筋肉(心筋)ですが、この筋肉に、酸素や栄養を含む血液を供給しているのが、冠動脈という血管です。

冠動脈の動脈硬化による狭窄や、血栓形成のために心筋への血液供給の減少ないし停止が、急性あるいは慢性に発症する一連の疾患、または心筋の虚血(必要とする血液量に対して供給が見合わない状態)によって心不全や不整脈を発症したもの、これらを総称して虚血性心疾患といいます。

 米国の65歳以上の高齢者では約3割が虚血性心疾患を有すると考えられています。以前から日本人は欧米人より虚血性心疾患の患者数は少ないことが指摘されてきましたが、食生活や生活習慣の欧米化が進み、発症頻度は欧米並みに増加していくことが予想されています。 

 

●虚血性心疾患に含まれる疾患

・狭心症

・心筋梗塞

・虚血性心不全

・虚血性心疾患の致死性不整脈

症状

 労作時(体動時)の胸痛・動悸・胸部圧迫感、いきぎれ。安静時にも胸部症状がある場合や30分以上胸痛が続く場合は緊急性が高い可能性があります。心筋梗塞はほとんどの症例で胸痛を伴いますが、糖尿病を有している方、高齢者や自覚症状をうまく伝えられない方は典型的な胸痛を欠く場合があり要注意です。
 心不全を合併すればむくみや呼吸困難を自覚します。
 胸痛などの胸部症状や呼吸困難、息切れといった症状は心臓や肺に重大な病気を抱えている可能性があります。早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることをおすすめします。
また胸部の強い症状の場合は心筋梗塞の可能性があるので、躊躇せずに救急要請することも大切です。

主な検査

・血液検査
・心電図、深心電図
・心エコー
・心臓CT
・MRI
・冠動脈造影
・心筋シンチグラム
など

治療法について

 狭心症、心筋梗塞はカテーテル治療またはバイパス術を行います。責任病変の部位や数などで適切な治療方法が選択されます。急性心筋梗塞の場合は一刻も早く再灌流(さいかんりゅう)が必要なため緊急で血行再建が行える医療機関への受診が必要です。
 急性心筋梗塞で心臓のポンプ機能が著しく低下し、ショック状態になった場合は大動脈内バルーンパンピングや経皮的心肺補助循環装置が必要になることもあります。
労作性狭心症で症状が安定しており、症状の増悪傾向のない一枝病変(心臓の3本の主要な血管のうち狭窄が一つの血管に限局している場合)は、薬物療法が選択されることがあります。
 また血管に狭窄が見つかった場合の血行再建術の適応判定に、心筋虚血の評価が必要な事があります。心不全や不整脈を合併しているときはそれぞれに特別な治療が必要です。多くの虚血性心疾患は入院による治療が必要である一方で慢性期には外来で適切な治療を受ける必要があります。よく主治医と相談し治療方法を選択していきましょう。

症例

  • 虚血性心疾患画像
  • 虚血性心疾患画像

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