医療法人社団六心会恒生病院

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心不全

 心臓は、体の全身に血液を送るポンプとしての役割を果たしています。

心臓の働きが弱くなり、ポンプとしての機能が低下することで、臓器や筋肉に十分な血液を送ることができなくなってしまった状態を心不全と言います。体の各部分に必要な酸素と栄養分は血液により運ばれており、血液が必要量送れなくなると体の様々な部分に障害が起こります。

 心臓の働きのうち収縮する力が低下している場合、拡張する能力が低下している場合、またその低下の程度や発症が急に起こったのか(急性心不全)ゆっくりと起こってきたのか(慢性心不全)により状態は様々です。

 欧米では人口1000人あたり約7.2人と言われていますが、食生活の欧米化が進む日本でも同程度に迫っていると考えられています。

 

<原因

 心臓は、働きが悪くなりポンプ機能に問題が起きても様々な代償機能を持っています。

 その代償機能が十分に発揮できなくなると心不全としての症状が現れます。

 

<心不全の原因となるおもな病気>

 心筋梗塞、狭心症、心筋症、心臓弁膜症、不整脈、高血圧、糖尿病、甲状腺機能亢進症、

 貧血、腎不全、アルコール多飲、脚気、サルコイドーシス、アミロイドーシスなど

症状

・息苦しい、ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音
・横になると息苦しくなる
・疲れやすい
・咳、泡沫状痰
・悪心、食欲不振
・体重増加
・むくみ
・便秘、お腹の張りなど

主な検査

・採血
・心電図検査
・胸部レントゲン検査
・心臓超音波検査
・心臓CT
・冠動脈造影
など
 心不全は問診と診察でほとんど診断できます。病状に応じて適切な治療を行うために、上記の精密検査を行います。

治療法について

 心不全の治療は、心臓の働きを低下させる原因となる病気を治療することが原則となります。


〈急性心不全の場合〉
 急性心不全に対しては、入院の上安静が必要となります。
入院し、症状を改善することを目的に酸素吸入や点滴など、数日から数週間にかけて治療が必要となります。


〈慢性心不全の場合〉
 慢性心不全に対しては、一般的にはお薬を内服することによって治療します。
症状を軽くしたり、症状をなくしたりする薬と、心臓の状態を悪化させるのを予防する薬に分けることが出来ます。


※心不全は、安定期には、重症度に合わせて適度な運動も必要です。


<手術療法>
・心臓の動脈が狭いもしくは閉塞していることが原因で心臓のポンプ機能が低下している場合、
 血管を広げるカテーテル治療や心臓の血管をつなぐバイパス手術を行います。
・ペースメーカー
 心臓の動きが遅くなりすぎたり、しばらく休んでしまったりする心臓は機能を回復させるために
 「ペースメーカー」という小さな機械を体内に埋め込む手術を行います。
・両心室ペーシング
 右心室と左心室の動きがぎこちない場合、両心室の動きをコントロールすることで、
 心臓のポンプ機能の改善を図ります。
・弁膜症に対する手術
・心臓移植や埋込型心臓ポンプなど


<心臓リハビリテーション>
 心臓リハビリテーション学会が心不全患者さまに対する適切なリハビリテーションを推奨しています。運動療法によって、血管内皮機能の改善や血液凝固因子の安定によって血液循環がよくなることが報告されています。自律神経に働きかけ血圧や脈拍が安定し、不整脈が起きにくくなるとされています。リハビリテーションによって酸素の取り込みがよくなり、運動能力も向上します。また、心不全や狭心症の症状の緩和が期待できます。
 予後に関しては、心筋梗塞や心臓突然死が3年間で25%低下し、心不全による死亡を56%低下させ、心不全による再入院を28%減らすとされています。
 恒生病院では入院中や外来での通院心臓リハビリテーションを受けることができます。一度お尋ねください。


<普段の生活について>
・食事では、心臓の負担を少なくするために、塩分・水分の量をコントロールし、
 脂質の量(植物性の脂質が好ましい)に気をつけましょう。
・風邪、過労、ストレスを避けましょう。
・くすりの飲み忘れに注意しましょう。
・長時間の入浴や熱いお湯は避けたほうが良いでしょう。
・禁煙
・飲酒は心不全の原因や程度に合わせて適量にとどめる必要があります。
・太りすぎないようにしましょう。


※心不全は時に命にかかわる重大な病気です。
 症状が軽い場合でも軽視することなく、原因になる病気の治療が必要なため早めに医療機関を受診しましょう。

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